仲介業者の利益を考えてみましょう。
不動産流通の問題点のページで、仲介業者が受け取る仲介手数用の仕組みについて説明してあるように、自社が元付である物件の場合は、得られる仲介手数料が2倍になるわけです。ですので、利益の高い物件から販売したいと考えるようになります。買主の希望に沿った提案をしてくれる仲介業者だけでなく、残念ながら自社の利益を優先してしまうケースもあるようです。
賃貸物件の仲介では「AD」(Advertisement)という広告費が存在します。
このサイトは中古物件の売買についてのサイトなのですが、参考までに賃貸物件の場合のお金の動きを。賃貸物件の仲介の場合は、仲介業者が受け取れる仲介手数料の上限は、家賃一か月分と決められているのですが、広告料は別途請求できることになっています。空室を嫌がる大家さんが、広告費の名目で、仲介手数料以外の金額を支払っていることがあり、これがADと呼ばれています(元付業者が客付業者にADを支払うケースもあります)。仲介業者は自社の利益を優先する場合、借主の意向に沿った物件よりも、ADなどで利益の大きい物件を優先して紹介してしまうこともあるようです。
中古物件売買での仲介手数料0円の理由は?
中古物件売買で、時々仲介手数料0円の物件が存在します。これは元付の物件だけを紹介していて、売主からの仲介手数料だけで利益になるケースや、売主がADとして追加の費用をを支払うケースがあります。後者の場合、単純にADの分を値下げすれば良いと考えるかと思います。しかし、ADにすることで仲介業者の利益が増えるので、より積極的に営業してもらえることが期待できます。また、レインズに取引事例を載せることになるので、一つの建物で複数の部屋を所有している場合など、レインズに載せる取引単価を下げると、他の部屋の売買価格にも影響するので、販売価格を下げたくないなどの事情があるようです。
なぜこの物件を勧められるのか?を考えて、賢い取引をしましょう。
物件を勧められている時に、それはあなたの意向を最優先に選んでいただけたものなのか、仲介業者の利益を高くするためなのか、よく考えながら物件選びをすることで、より賢い取引ができるようになれば幸いです。
なぜこの物件を勧められるの?
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