適正な購入予算を決めるには、
(1)理想的な毎月の住居費(ローン返済額と維持保有コスト)はいくらか?
(2)理想的な購入予算はいくらか?
というステップで考える。
(1)については、「3分で解る中古住宅売買~安心住宅ローンを組む方法」を読んでいただくと、大体のイメージを掴んでいただけると思うよ。
(1)できちんとしたシミュレーションができていれば、「毎月の住宅ローン返済可能額」と「返済期間」が判っているはず。
住宅ローン借入額は、毎月の返済額、借入期間、借入金利が判れば瞬時に計算可能で、インターネットにも簡単に計算してくれるものがありますので利用してみるといいですよ。ただし、ボーナス返済だけは極力使わないこと。ボーナスが今後長期に亘ってこれまでと同じ水準で会社から支給される保証はありませんから。
ちなみに、自分で計算してみたい人は、エクセルで以下の関数「PV」を使ってみて。
=-PV(金利/12,返済期間(年)×12,年間返済額/12)
たとえば、固定金利2.5%、返済期間30年、年間返済額150万円とした場合、
=-PV(0.025/12,30*12,1,500,000/12)
と入力することになるけど、答えは、約3,160万円という借入額が出てくる。
ところが、3,160万円を借りて好きな物件が買えるかというとそういうことにはならない。
銀行は、ある程度の自己資金がないとお金を貸さないんですよ。少なくとも購入する物件の10%~20%は自己資金を準備したほうがよい。
それに、自己資金を多めに入れておいたほうが、万が一、何かの事情で売らざるを得ない場合でも、売るに売れないといった事態(売却価格<ローン残債という状態)を回避できるというメリットもある。
それから、忘れちゃいけないのが、住宅購入時の購入諸経費。購入諸経費には以下のようなものがあり、概ね売買金額の8%から10%程度となるのが普通。
◇売買契約書に添付する印紙税、不動産仲介手数料、固定資産税等の精算金、登録免許税、司法書士報酬
◇ローン契約書に添付する印紙税、ローン事務手数料、ローン保証料、団体信用生命保険料、火災保険料
◇抵当権設定費用
◇不動産取得税、固定資産税、都市計画税、引越し代、家具などの購入資金等
さっきのケースで考えてみると、仮に住宅購入用の貯蓄400万円だったとすると、以下のように適正な購入予算が算定されます。
借入金額 3160万円
+) 自己資金 400万円
-) 購入諸経費 260万円
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適正な購入予算 3300万円
実際に自己資金400万円から諸経費の260万円は購入時に出て行ってしまうお金。だから、残りの140万円が売買時に売主に支払う手付金となりますね。
最後に一点注意です。自己資金の投入額を検討する際、少なくとも半年~1年程度の生活費は残した上で、不動産購入用の自己資金を考えましょう。備えあれば憂いなしです。