“売地(古家有り)”という物件を見かけたことはありませんか?
不動産業界では、戸建てで築25年を超えているような物件は、売地として売りに出されてしまいます。ようは、建物の価値はありませんよということなのでしょう。また、「そのまま建物使って頂いてもいいですけど、何か問題があっても責任負いませんよ。だって売地で契約してるんですから。」といった不動産屋さんの本音も見え隠れします。
でもリニュアル仲介なら、こんな物件が逆にお買い得になることも多々あります。とあるお客様は、売地古家有の物件を3500万円で購入。約950万円のリフォームをしてお引渡しとなりました。建物はS51年築で確かに古いですが、耐震診断をしたところ、致命的な劣化もなく非常に健全な状態で、建築畑の私達から見れば充分再生できるので解体するのは勿体なさすぎという感じでした。上記の物件価格は地域の相場でいうと、土地値どころか、買主が解体費用を負担しなくてはいけないからといって、その分、土地相場から値段を下げている状態でした。売主仲介会社は、「恥ずかしながら、古いんで壊すしか手段がないと思ってました。こんな買い方もできるんですねぇ。」とおっしゃって、びっくりされていました。
リニュアル仲介では、古い建物でも建築士が調査を行ない、性能を担保するリフォームを実施しますし、引渡し後の瑕疵保険もございますので、30年を超えるような古い物件でも、安心してご購入いただくことができます。もちろん、調査の結果、買ってはいけない物件はきちんとそのようにお伝え致します。
残念ながら、「中古住宅用の瑕疵保険」や、「耐震基準適合証明書を付保して住宅ローン減税及び各種税制の優遇を利用する」といったことは、不動産業界では全くと言っていいほど浸透しておらず、活用されていません。意図的にお客様に情報提供していないというのではなく、多くは、“知らないから”というのがその原因です。
つまり、折角この様な各種制度があるにもかかわらず、それらを利用せずに購入されている方が殆どだということです。住宅ローン減税だけでも200万円(最大)の減税ですから、“ついうっかり”では済まない金額です。
私達、不動産業界の人間が襟を正さなくてはいけないのは言うまでも有りませんが、残念ながら現時点では、消費者側も上記の様なことに精通したエージェントを選択して資産防衛をせざるを得ない状況です。
もちろん冒頭のお客様は、瑕疵保険、耐震基準適合証明書発行による減税、フラット35Sの金利優遇など、中古住宅で利用できうる制度はもれなく利用して購入することができました。