消費税増税について

消費税増税について

2013-11-14 14:08:09
住宅の購入やリフォームなど、
やはり消費税が上がる前にやっておいた方がいいのでしょうか。
リニュアル仲介
パイロット店 既存住宅アドバイザー
2013-11-15 09:33:18
中古住宅の場合は、そもそも消費税非課税のケースが殆どです。少し情報を整理して考えましょう。

前提条件として、4月以降予定されている住宅ローン減税上限額引き上げと住まい給付金(以下、上限引上げ等)については、消費税増税の影響を受ける住宅購入に関して適用されることになります。それを踏まえてご説明致します。

(1)新築の場合
【建売住宅】
来年4月まで引き渡しを受ければ消費税5%。よって、上限引上げ等は適用外。(=現状と変わらず)

【注文建築】
土地を買って注文建築で新築という場合は、今からのスケジュールだと現実的に来年4月までの入居はできないと思いますので、消費税8%が適用されます。よって、上限引上げ等適用。

(2)中古住宅の場合
【売主が業者(リノベーション済み物件等)】
上記建売住宅と同じ。

【個人間売買】
中古住宅流通市場の殆どが個人間売買です。仲介会社は入りますが、契約主体はあくまで個人である売主との間で締結されることになります。個人間売買の場合は、土地はもちろんのこと、建物部分についても消費税は非課税です。よって、引き渡しの時期に関係なく上限引上げ等の適用はありません。(リフォーム代金や仲介手数料等は増税後は8%が適用されます)

ローン減税については、納めている所得税・住民税の額によって変わりますので、一概にどちらが得かは言いづらいところです。
まずは、ご自身の納税額やすでに受けている控除関係の額をご確認されることをお勧めいたします。
その他、コストに影響がある要素としては、住宅ローン金利ですが、仮に3000万円を35年借りる場合に金利が1%違うと、総支払額で650~700万円ほどの差が出ます。また、建築資材がこのところ上昇傾向にありますので、これらの要素も影響します。
なので、私の意見ですが、厳密に得なタイミングを狙って購入するというのは難しいので、金利が安いうちに固定金利で借りるというのが、長期的に見れば安い買い物になるのではないかと思います。現在は史上空前の低金利ですから、住宅業界の歴史から見れば、住宅ローンを組むことを前提に考えていらっしゃる方にとってはバーゲンセール状態ではないでしょうか。
創造系不動産株式会社
建築不動産コンサルタント
2013-11-14 21:03:59
消費税は、2013年現在の5%から、2014年4月には8%に引き上げられることが決定しました。さらに2015年には10%へと段階的な増税が予定されています。建築費用やリフォーム費用は高額ですから、確かにそれまでに行ったほうが良いのかも!と気が急きます。

しかし冷静に考えて見ると、一概にそうは言えません。
例えば建築費が2500万円の住宅を建てるとします(土地には消費税はかかりません)。消費税が3%上昇することによる増税額は75万円です。確かに大きい。その反面、政府は現行の「住宅ローン減税」の最大控除額を200万円から400万円(一部500万円)に拡充し、また「すまい給付金」という新しい制度により、10~50万円が返ってきます。(※ 条件もあるので、詳しくは→ http://sumai-kyufu.jp/)

するとこれは、ローン借入額や世帯年収によっては、消費税後に建てた方が得なのかもしれない、ということになります。これら制度は、上手に使って頂ければと思います。

しかしそれ以上に知っておいて欲しいのは、建設費用やリフォーム費用というのは、実は経済状況や需要と供給のバランスによって、1割程度は簡単に変動するということです。つまり2013年9月の頃は、注文住宅や設計者に依頼する住宅は、急がないと2014年4月に完成が間に合わない!ということで、いわゆる「駆け込み需要」が起きていました。そのときは、施工会社はお客さんがたくさんいるので、単純に見積りが高いんです。その反面、これを書いている2013年11月は、これら住宅の需要は一旦落ち着いており、施工会社からするとお客さんが少ないわけですから、少しでも安くしてお客さんを獲得したいということで、見積もりが下がってます。この時期と程度を見極めるのはなかなか難しく、市場分析力や経験が必要になります。

同じ現象が、今度は2013年12月前後にはリフォーム注文で、2014年3月前後には今度はマンション購入で、起きることが予想されます。また2015年の8%から10%に増税する際にも、同じ現象が繰り返し起きるでしょう。

結論としてはやはり「住宅購入やリフォームは、増税後の方がトータルで考えると安くなるケースもある」ということになります。しかし大切なことは、家づくりは資産面で、機能面で、また家族のコミュニケーションの面で、長年にわたってとても重要な物になりますから、できるならこの数十万円の前後に左右されず、じっくり検討されることをお勧めします。

ではなぜ「増税前に早く建てましょう」と言った広告が、新聞や雑誌にもたくさん出ているのか。その広告を書いているのは、建設系の会社ではないでしょうか?だとすると、建てたら儲かる会社の「セールストーク」ですから、お気になさらず。逆にそういう会社はチェックしておけば良いのではないでしょうか。
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